初実の果

キリスト教についてまとめるメモブログです。

コリント人への「第三」の手紙を読む。


パウロとコリント人の往復書簡としてもしられるこの手紙は、5世紀までシリアの教会で使用されていました(しかしペシッタ訳には入らなかった)。アルメニアでも長らく使われていましたが19世紀には続編に、そして後に除外されました。
この書簡は長らく独立した手紙だと考えられていましたが、現在ではパウロ行伝に組み込まれていると分かっています。また、この手紙をコリント人への第一の手紙の5:9、7:1などに言及されていると考える人もいます。

https://pages.uoregon.edu/sshoemak/321/texts/3_corinthians.htm

https://www.interfaith.org/christianity/apocrypha-iii-corinthians/


1章 コリントからパウロ

1 ステファヌスと共にある長老DaphnusとTheophilusとZenonは、主のうちに(永遠の)兄弟であるパウロに挨拶。

2 シモンとCleobiusという二人の人がコリントにやって来ました。彼らは悪(=不正直)の言葉で多くの人々の信仰を滅ぼしています。

3 それ[悪の言葉]を調べ、証明してください

4 私達はそのような言葉をあなたや他の使徒達から聞いたことがありません。

5 あなたや他の使徒たちが教えていることは私たちの信じていることです。

6 ですから、主は私達に憐れみを持ってくださったので、まだあなたが肉の内にある間[=生きている間]にあなたからまたこれらの事を聞きたいと願っています。

7 可能ならば、私たちのところに来るか、手紙を送って下さい。

8 私たちはTheonoeに明らかにされた、主が無法者の手から救い出されたことを信じます

9 これらの人が教えることは次の通りです。

10 彼らは私たちが預言者旧約聖書?]を使ってはならないこと、

11 神が全能ではないこと、

12 肉の復活がないこと、

13 人が神によって造られてないということ、
(別訳)創造は神の働きではないということ、

14 キリストは肉の内に入らず、主はマリアから生まれていないこと、

15 世界は神のものではなく、天使のものだと言っています。

16 それゆえに、兄弟、私たちはあらゆる努力を使って私たちのところに来て欲しいと祈っています。コリントの教会が罪なく残り、これらの人の狂気を明白なものになるでしょう。常に主においてさようなら。
(別訳)兄弟、急いでここに来て下さい。コリントの教会は清いまま残り、これらの人の愚かさはすべて知らされるでしょう。主においてさようなら。

2章

1 執事Threptusとエウテュケスはその手紙をピリピに運んだ、

2 それでパウロは受け取り、Apollophanesの妻であるStratoniceのため(獄に)繋がれていたが、それを読んでかっとなり、痛み苦しみ、

3 こう叫んだ。「肉体の中で続けてそのような偽りの教えの災いを聞くより私が死んで主と共にいるほうがより良かったのです、だから問題は問題から来ます。

4 サタンの悪の計画が成し遂げるのを目の当たりにしてるので、非常に大きな苦しみ、鎖の中にいます。」

5 それゆえ、パウロは大きな苦悩の中で、手紙をこう答えて書いた。

3章 パウロからコリントへ

1 イエス・キリストのしもべ[囚人]であるパウロがコリントにある兄弟達へ挨拶。

2 多くの苦難の中にいるので、外で悪の教えが広がっても驚きません。
(別訳)あれから私は刑務所にいるので、邪悪な者の教えがすぐに地に根付いてきたことに驚きません。

3 私の主イエス・キリストは彼の言葉を偽造する者たちを(無礼に耐えられず)、再臨を早められるでしょう。

4 私は私の前に主イエス・キリストと常に共にいた聖なる使徒たちから私が受け取ったものを始めにあなたに届けたのです。

5 すなわち、私たちの主イエス・キリストダビデの子孫であるアリアから生まれ、聖霊は天の父から天使ガブリエルを通して彼女に送られ

6 彼(イエス)がこの世に降りてきて、ご自分の肉を通して全ての肉を贖い、私たちの模範として示したように、死んだ肉の中から私たちを生き返らせるためです。

7 人間は彼の父によって造られ、

8 それゆえに人が失われたときには、子たる身分を授けられることによって生かされたものとなるために、(神によって)さがし求められたのです。 *1

9 というのは、天と地を造りし全能の神は まず預言者たちをユダヤ人のもとへ遣わして、彼らが罪から立ち直らせることができるようにしました。

10 彼はイスラエルの家を救う決心をしていたので、キリストの霊の一部を預言者に授け、まずユダヤ人たちに遣わして、長きにわたって神の崇拝を宣言したのです。

11 しかし、不義の君主は神になることを望み、彼らに手を置いて殺しました。そのため、全ての人の肉は邪悪な欲望に縛られました(そして、判決による世の終わりは近づきました)。

12 しかし、義なる全能の神よ、彼は自分の創造物を捨てず、天で彼らに同情し、

13 そして、聖霊ガリラヤのマリアに遣わされました。

14 彼女は心から〈神を〉信じていて、そしてイエスが世に入るため自分の胎内に聖霊を受けました。

15 その肉によって、邪悪な者が死に至り(=勝利し)ました、同じように打ち勝つことを示すのです〈別訳:彼が神ではないと確信するためです〉

16 イエス・キリストは自分の体によって全ての肉を救い、それの〈=イエスへの〉信仰を通して永遠の命をもたらし、

17 義の宮を明らかにされたからです。 *2

18 それによって私たちは救われるのです。(つまり、もし、私たちが解放されてると信じれば)
(別訳) われわれがその恩恵を受けるのです。

19 彼らは天と地と彼らの内にある全てのものは父の業ではないといって、神の恵みを拒んでいます。 そのため彼らは義の子らではなく、神の知恵(恵み?)を否定する怒りの子らなのです。

20 その子達は呪われた蛇の教えに従うため、怒りの子らなのです。

21 彼らから離れ、その教えから逃げましょう!

22 あなたがたは不順順の子ではなく、恵まれた〈別訳:最も愛されている〉教会の子なのです。

23 復活の時が告げられるのはこのためです。

24 彼らが「肉体の復活はありえない」と言うことですが、 確かに彼らに復活はないでしょう。

25 彼らは死んだ者たちの中から生き返った者を信じず、理解していないからです。

26 コリントの人々よ、彼らは知らないのです。小麦や他の種類のたねは裸で地に投げ出され、そこで滅び、神の御意思によりまた起き上がり、肉をまとるのだということを。

27 投げ出された体が再び立ち上がるだけでなく、豊かに祝福されるのです〈=別訳「多くの恵みがあるのです」 / すなわち、肥沃である〉

28 もし種だけでなく、もっと高貴な体からも例をとらなければならないのなら、

29 アミタイの子ヨナがニネベの人々への宣教しようとせずに逃げたとき、海の大魚に飲み込まれてしまったのをあなたがたは知っているでしょう。

30 クジラに飲み込まれ、3日3晩後に神はヨナの祈りを最も深い地獄から聞き入れ、髪の毛やまつげさえも無事であったことを知っています。

31 それならもっと、信仰の薄いあなたは、キリスト・イエスを信じたあなたを起こします〈=よみがえらせます〉、彼自身が立ち上がったように。

32 またもしもイスラエルの子らによってひとつの死体が預言者エリシャの骨の上に投げこまれた時にそれがよみがえったとするならば、まして(いわば)キリストの体と骨と、そして霊との上に投げこまれたあなたがたが、かの日に健かな肉を持ちつつよみがえらされないはずがありましょうか。 *3

[33 Arm., Milan, Paris:預言者エリヤについても同様です:彼はやもめの子を死から生きかえらせました:まばたきをする間に、主イエスはラッパの音とともに死からあなたを起き上がらせます。彼は自分の体でもって例を示してくださいました。]

34 もし、あなたが他の教義を受け入れるなら、神はあなたに(不利の)証人となります、〈他の教義を受け入れても〉私に迷惑を掛けないで下さい。

35 なぜなら、わたしはキリストを得るために縛られていて、わたしは死者からの復活を得るために、わたしの体に印をつけているのです。

36 そして、神聖な預言者たちと聖なる福音によって受けた規則を受け入れる(=従う)者は主から報酬を受け、死から復活したときに、永遠の命を得るでしょう。

37 しかし、脇へそれた者と道を歩く者たちとの間には炎があります。彼ら〈脇へそれた者〉は神のない人間なのだから

38 この人たちは毒蛇の子孫です。

39 あなたがたがこれらのことから主の力のよって立ち去り、

40 平和、恵み、そして愛があなたと共にありますように。 アーメン。


コリントの教会に関しては、ペテロの弟子クレメンスが書いた手紙にもこう書かれています。

使徒なる至福者パウロの手紙を取上げよう。彼の福音の初めに、彼は君たちに何と書いたか。彼は、真実に基づき霊に満たされ、自分自身、またケパ、アポロについて、指示を与えた。あの当時にも、君たちは党派を作っていたためだった。しかしあの当時の党派は、君たちに今よりも軽い罪をもたらすようなものであった。なぜなら、君たちは立派な評判の使徒たち、また使徒たちに是認された人たちを選り好んで党派を作ったのであったから。しかし今回は考えてみるがよい、一体誰が君たちを邪道に導き、また誰が君たちの広く知れわたった兄弟愛の評判を減じたか。愛する者たちよ、一人か二人の人間のために、堅固なまた古きコリント人の教会が長老たちに背いたと噂されるようなことがあれば、恥ずべきことだ。実際非常に恥ずべきことだ。それにキリストにおける振舞にも相応しくないことだ。だがこの噂は私たちに届いたのみならず、私たちと考えを異にする者たちにも届いたのだ。その結果、君たちはその愚かしさのゆえに主の御名に冒涜を加えている。また君たち自身にも危険をもたらしている。

(クレメンスのコリントへの第一の手紙 47章)